G検定では、**最新のAI技術そのものよりも、「人工知能をどう定義し、どう捉えるか」**といった概念理解が頻繁に問われます。
本記事では、人工知能の能力範囲、AI効果、AIブームの歴史、代表的な理論問題、強いAIと弱いAI、機械翻訳の発展という6つの重要テーマを整理します。
目次
1. 現在の人工知能は何ができて、何ができないのか
正解の考え方(問題1)
現在の人工知能は、
- 音声認識
- 画像認識
- データ分類
- 数値予測
といった 「特定の目的が定められたタスク」 においては高い性能を発揮します。
一方で、
- 「タスクの目的そのものを理解する」
- 「状況に応じて目的を自律的に再定義する」
といった 人間のような汎用的・自己目的的判断 は行えません。
そのため、
「目的自体を理解した上での自律的な判断ができる」
という記述は、現在の人工知能の能力を過大評価しており不適切です。
2. AI効果とは何か(AIに対する認知の歪み)
AI効果の本質(問題2)
AI効果(AI Effect)とは、
AIが実現すると、それを「知能ではなく単なる自動化」とみなしてしまう心理現象
を指します。
かつては「AIらしい」と感じられた技術も、普及すると
「これはAIではない」「単なる計算処理だ」と評価が下がる傾向があります。
これは、
- 音声認識
- 自動翻訳
- 文字認識
などが一般化した後に典型的に見られる現象です。
※「人間らしさを重視する心理」や「ロボットに恐怖を感じる現象」は、別概念(アンキャニーバレーなど)に該当します。
3. 第一次AIブームとトイ・プロブレム



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トイ・プロブレムとは(問題3)
第一次AIブーム(1950〜60年代)では、
- 問題のルールが明確
- 状態空間が限定的
- ノイズが少ない
といった 理想化された小規模問題(トイ・プロブレム) が中心でした。
代表例:
- 簡単な代数問題
- チェスやオセロ
- 定型的な手続き問題
一方、
- 専門知識を要する領域で自然言語質問に答える
といった問題は、当時の技術水準では困難でした。
このギャップが、後の AI冬の時代 につながります。
4. フレーム問題とは何か
人工知能が「何を考慮すべきか」を決められない問題(問題4)
フレーム問題とは、
「行動や推論を行う際に、何が重要で何を無視してよいかを事前に定義できない問題」
を指します。
現実世界では、
- 考慮すべき要素が無数に存在
- 状況によって重要度が変化
するため、
すべてをルールとして書き出すことは不可能です。
これは、
- ルールベースAI
- 記号処理中心のAI
が現実世界でうまく機能しなかった根本原因の一つです。
5. 強いAIと弱いAIの違い
本質的な違い(問題5)
| 区分 | 特徴 |
|---|---|
| 強いAI | 人間のような意識・理解・汎用的判断能力を持つとされる仮想的存在 |
| 弱いAI | 特定タスクに特化して設計された実用的AI |
現在実用化されているAIは すべて弱いAI です。
- 画像認識AI
- 翻訳AI
- 生成AI
いずれも「意識」や「自己目的」を持つわけではありません。
そのため、
「人間のような意識を持ち、総合的な判断ができるかどうか」
が両者を分ける本質的なポイントです。
6. 機械翻訳の発展とボトルネック
機械翻訳の歴史整理(問題6)
| 時代 | 主流技術 |
|---|---|
| 1970年代 | ルールベース機械翻訳 |
| 1990年代以降 | 統計的機械翻訳 |
| 近年 | ニューラル機械翻訳 |
統計的機械翻訳では、
- 大量の対訳データ(コーパス)を用いる
- 文脈や常識の理解が弱い
という課題がありました。
この 「知識や常識をうまく扱えない問題」 は
知識獲得のボトルネック と呼ばれます。
深層学習の導入により、この問題は大きく改善されました。
まとめ|G検定で問われるのは「AIを正しく過大評価しない視点」
G検定では、
- AIは何ができて、何ができないのか
- 技術ではなく「概念」をどう理解しているか
- 歴史的な失敗と制約を知っているか
が一貫して問われます。
単語暗記ではなく、
「なぜその選択肢が誤りなのかを説明できる状態」
を目指すことが、合格への近道です。

