目次
はじめに
データサイエンス検定(リテラシーレベル)の
「データサイエンス力」の中で、特に不安を感じやすいのが線形代数です。
- 行列
- ベクトル
- 内積
- 固有値
といった言葉を見ると、
「数学が苦手だと無理なのでは?」と感じる方も多いと思います。
しかし結論から言うと、
データサイエンス検定で問われる線形代数は、計算力ではありません。
意味を理解しているかどうかが重視されます。
この記事では、
試験対策として、どこまで分かっていれば十分なのか
を中心に解説します。
データサイエンス検定における線形代数の位置づけ
データサイエンス検定は、数学の試験ではありません。
線形代数も、難しい計算問題として出題されることはほとんどありません。
線形代数が問われる目的は、次の一点です。
データを「ベクトル」や「行列」として扱う考え方を理解しているか
つまり、
機械学習や多変量データ分析の土台となる
考え方としての線形代数が分かっているかを見ています。
1. ベクトルとは何か
ベクトルは「1つのデータをまとめたもの」です
データサイエンスでは、
1人の顧客、1つの商品、1回の観測結果を
ベクトルとして表します。
例として、次のようなデータを考えます。
- 身長
- 体重
- 年齢
これらをまとめて、
(身長、体重、年齢)
という形で表したものがベクトルです。
ここで大切なのは、
ベクトルを「数学の矢印」として考えないことです。
特徴量をまとめたデータ1件と理解すれば十分です。
試験で押さえるポイント
- ベクトル = データ1件
- 次元 = 特徴量の数
「3次元ベクトル」とは、
特徴量が3つあるデータという意味です。
2. 行列とは何か
行列は「ベクトルを並べたもの」です
複数のデータが集まると、自然に行列になります。
例として、次のような表を考えます。
| 身長 | 体重 | 年齢 |
|---|---|---|
| 170 | 65 | 30 |
| 160 | 50 | 25 |
| 180 | 75 | 40 |
この表全体が行列です。
- 行:個体(人・商品・観測データ)
- 列:特徴量
つまり、
行列はデータセットそのものを表しています。
試験での理解ポイント
- 行列=データ全体
- 行=サンプル
- 列=特徴量
「なぜ機械学習で行列を使うのか」を
説明できるレベルで十分です。
3. 行列の計算はどこまで必要か
結論として、
手計算ができる必要はほぼありません。
ただし、意味の理解は必要です。
行列の掛け算(行列積)
行列積は、次のような意味を持ちます。
- データを別の形に変換している
- 特徴量を組み合わせて新しい値を作っている
回帰分析やニューラルネットワークでは、
「データ × 重み」という形で行列積が使われます。
試験では、
**計算方法よりも「何をしているか」**が問われます。
4. 内積と類似度
内積は「どれくらい似ているか」を表します
内積は、2つのベクトルの似ている度合いを表す考え方です。
データサイエンスでは、
- 類似度の計算
- レコメンド
- テキスト分析
などで使われます。
試験での押さえどころ
- 内積が大きい → データが似ている
- 内積が0 → 関係がない(直交)
数式を覚える必要はなく、
意味を選択肢から判断できればOKです。
5. 固有値・固有ベクトルはどこまで必要か
固有値や固有ベクトルは、
線形代数の中でも難しく見える分野です。
しかし、データサイエンス検定では
ごく概念的な理解で十分です。
理解のポイント
- データの「重要な方向」を表す
- 主成分分析(PCA)で使われる
「データのばらつきを最もよく表す方向」
という説明ができれば問題ありません。
6. 線形代数はどこにつながるか
線形代数は、単独で出てくるものではありません。
- 回帰分析
- 主成分分析(PCA)
- 機械学習
- ニューラルネットワーク
これらはすべて、
ベクトルと行列でデータを扱っています。
試験では、
「これらの手法の裏側で、
データがどのような形で扱われているか」
を理解しているかが問われます。
よくある誤解
次のように考える必要はありません。
- 行列の計算問題が大量に出る
- 数学的な証明が必要
- 数学が苦手だと不利
必要なのは、
データを線形代数の言葉で説明できることです。
学習の優先順位(試験対策)
データサイエンス検定対策としては、
次の順番で理解すれば十分です。
- ベクトル・行列の意味
- 次元と特徴量の考え方
- 内積=類似度
- 行列積=データ変換
- 固有値は概念だけ
まとめ
データサイエンス検定における線形代数は、
- 計算力を測るものではありません
- データをどう表現・理解するかを見るものです
- 機械学習や分析手法の土台となる考え方です
線形代数を「意味」で押さえると、
回帰分析や機械学習の理解が一気につながります。
試験対策としても、
その後の学習や実務にとっても、
線形代数は怖がらず、考え方を理解することが大切です。

