データサイエンスや機械学習を学び始めると、必ず出てくる重要な概念のひとつに ベクトル があります。
一見すると難しそうに思えますが、考え方自体はとてもシンプルです。
この記事では、
- ベクトルとは何か
- スカラーとの違い
- ベクトルの表し方
- 基本的な演算
について、順を追って解説します。
目次
1. ベクトルとスカラーの違い
スカラーとは
まず、普段私たちがよく扱っている「単なる数値」のことを スカラー といいます。
例えば、
- 気温:25
- 身長:170
- 売上:50000
といった「ひとつの値だけで表される量」がスカラーです。
ベクトルとは
一方で、データサイエンスでは「複数の数値の組み合わせ」をまとめて扱うことがよくあります。
このような
複数の数値をひとまとまりにしたもの
を ベクトル と呼びます。
例えば、
- 身長と体重のセット
- ある商品の「価格・販売数・評価点」の組み合わせ
- 位置情報の「x座標とy座標」
などは、すべてベクトルとして表現できます。
2. ベクトルの書き方
たとえば、2つの数値 3 と 2 をまとめたベクトルを考えてみましょう。
このベクトルは次のように表すことができます。
- 横に並べた書き方(行ベクトル) (3, 2)
- 縦に並べた書き方(列ベクトル)
3
2
このように、
- 横に並べたもの → 行ベクトル
- 縦に並べたもの → 列ベクトル
と呼びます。
要素(成分)
ベクトルの中に含まれるひとつひとつの値のことを
要素(成分)
といいます。
たとえばベクトル (3, 2) の場合、
- 第1要素:3
- 第2要素:2
がそれぞれ要素になります。
3. ベクトルの次元
ベクトルにはいくつでも要素を含めることができます。
- 要素が2つ → 2次元ベクトル
- 要素が3つ → 3次元ベクトル
- 要素が n 個 → n 次元ベクトル
と呼びます。
データサイエンスでは、数百次元・数千次元のベクトルを扱うことも珍しくありません。
4. 2次元ベクトルを図で理解する
まずは理解しやすい 2次元ベクトル を例に考えます。
ベクトル (3, 2) は、平面上では
- x座標が3
- y座標が2
の位置を指す点として表現できます。
ベクトルは「向き」と「大きさ」を持つ
ベクトルをより深く理解するポイントは次の考え方です。
ベクトルは「位置」だけでなく「向き」と「大きさ」を持つ
たとえば (3, 2) というベクトルは、
- 原点 (0, 0) から
- x方向に3、y方向に2 進んだ向き
- 長さ √(3² + 2²) の大きさ
を持つ“矢印”としてイメージできます。
この「方向+大きさ」という考え方は、機械学習やデータ解析でとても重要になります。
5. ベクトルの基本演算
ベクトルでは主に次の2つの演算がよく使われます。
- 和(足し算)
- スカラー倍
(1) ベクトルの和
2つのベクトル
- (a, b)
- (c, d)
の和は、
(a + c, b + d)
のように 各成分どうしを足す ことで計算します。
例:
(3, 2) + (1, 4) = (4, 6)
(2) スカラー倍
ベクトルにスカラーをかける演算を スカラー倍 といいます。
スカラー k をベクトル (a, b) にかけると、
k × (a, b) = (ka, kb)
のように、すべての要素に同じ数をかけます。
例:
2 × (3, 2) = (6, 4)
6. データサイエンスでのベクトルの役割
ベクトルはデータサイエンスのさまざまな場面で活躍します。
例えば、
- 顧客の特徴データ
- 画像データの数値表現
- 機械学習モデルのパラメータ
などは、ほとんどすべてベクトルとして扱われます。
そのため、
ベクトルを理解することは、データサイエンスの第一歩
と言っても過言ではありません。
まとめ
この記事のポイントを整理します。
- 単なる数値 → スカラー
- 複数の数値の組み合わせ → ベクトル
- 横に並べる → 行ベクトル
- 縦に並べる → 列ベクトル
- 要素が n 個 → n 次元ベクトル
- ベクトルは「向き」と「大きさ」を持つ
- 主な演算は 和 と スカラー倍
ベクトルの考え方は、統計学・機械学習・ディープラーニングなどあらゆる分野の基礎になります。
まずは2次元ベクトルでイメージをつかみ、少しずつ高次元のベクトルにも慣れていきましょう。
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