事業会社のデータサイエンティスト/アナリストになるために私がしたこと

デジタル広告の世界で培ったスキルを活かし、広告代理店から広告主（事業会社）のデータサイエンティスト/データアナリストに転職したいと考えている方は少なくないでしょう。

この記事では、広告代理店での経験を活かしつつ、事業会社に転職して成功した私の体験を具体的にお伝えします。

これまでのキャリア

広告代理店でキャリアスタート
広告データをもとにした各媒体の運用業務に携わり、クライアントに対する提案や報告業務を担当。
IT企業でデータサイエンティストとして転職
データの収集、加工、分析の基礎を習得し、ビジネス課題に応じたレポート作成やデータ活用提案を実施。
大手企業にてデータサイエンスチームのリーダーに就任
チームメンバーの育成と管理を行い、データ分析とビジネス戦略の橋渡し役を担う。データに基づく意思決定を推進。
機械学習モデルの開発・運用を担当
さまざまなビジネスニーズに応じた予測モデルや分類モデルの開発に従事。精度向上と運用改善に取り組み、プロジェクトをリード。
プロジェクトマネージャーとしてプロジェクト全体を統括
データサイエンスプロジェクトのリーダーとして、計画から実行、成果報告までを一貫して担当。

広告代理店で身につけたスキル
広告代理店から広告主への転職を考えた理由
事業会社へ転職するために私が取り組んだこと
事業会社での仕事と成長
広告代理店から広告主への転職を目指す方へ

広告代理店で身につけたスキル

広告代理店では、多種多様なクライアントの広告運用や分析を担当しました。この経験を通じて、以下のスキルを磨きました。

1. データ分析力

広告パフォーマンスを向上させるために、Google Analyticsや各種広告プラットフォーム（Google Ads、Facebook Adsなど）のデータを分析。

KPIの設定や改善案の提案を日々行っていました。

2. プレゼンテーションスキル

クライアントに対してデータをわかりやすく説明する能力が自然と鍛えられました。

このスキルは、社内外での意思決定に大きく役立ちます。

3. 広告技術の知識

タグマネージャーやピクセル設定、アトリビューション分析など、広告運用に関するテクニカルな知識も習得。

これが広告主のマーケティングチームでの即戦力として評価されました。

当時の働き方についてはコチラで紹介しております

広告代理店から広告主への転職を考えた理由

広告代理店でのキャリアは非常に刺激的で多くの学びがありましたが、次のような理由から広告主側への転職を検討しました。

1. 年収アップを目指したい

広告代理店での仕事は多岐にわたり、専門性が高いスキルを求められる反面、業界全体として年収レンジが比較的抑えられていると感じていました。

一方で、広告主側のデータサイエンティストやデータアナリストのポジションは、データを活用した意思決定が直接的に企業の収益に結びつくため、給与水準が高めに設定される傾向があります。

これまで培ったスキルをより高い報酬で評価してもらいたいと考えたことが、大きな動機の一つでした。

2. ワークライフバランスを重視したい

広告代理店では、納期やクライアントの要望に応えるために長時間の労働が求められることも少なくありませんでした。

こうした働き方も充実感がある一方で、ライフステージが変化する中で、家庭や趣味、自分自身の時間を大切にしたいという思いが強くなりました。

広告主側の企業では、比較的長期的な視点でプロジェクトが進むことが多く、柔軟な働き方が可能な環境が多いと感じ、転職を決意しました。

3. より大規模なデータを扱い、社会的なインパクトを与えたい

広告代理店ではクライアントごとにデータを扱い、特定のキャンペーンや広告施策の成功を支援してきました。

しかし、広告主側に移ることで、自社の膨大なデータを活用し、企業全体の意思決定や戦略策定に関与する機会が増えます。

また、広告主としての立場では、特定のプロダクトやサービスが消費者の日常や社会にどのような影響を与えるかを直接体感できる点にも魅力を感じました。

データのスケールが大きくなればなるほど、社会的なインパクトも大きくなるため、自分の仕事の意義をより実感できる環境に身を置きたいと思いました。

4. キャリアの選択肢を広げる

広告代理店での経験はクライアントワークを中心に構築されるため、いわば「外部から支援する」立場です。

一方で、広告主側では「自分たちのデータを基に意思決定を行う」内部の視点が求められます。

この視点を得ることで、自分自身のスキルセットを多面的に広げ、将来的には経営や事業戦略にも関与できるようなキャリアパスを築きたいと考えました。

事業会社へ転職するために私が取り組んだこと

ステップ1. 分析スキルの強化

広告代理店でのデータ分析経験を基に、以下を独学または講座で学習しました。

PythonやR
広告主では、SQLやスクリプト言語を使ったデータ操作や分析が求められることが多いため、基本的なスキルを磨きました。
SQL
データベースへのクエリ実行が求められるため、広告代理店時代からデータを抽出する練習を重ねました。
BIツールの操作
TableauやPower BIの操作方法を学び、データの可視化スキルを高めました。

スキルを活用するためにいくつか資格も取得しました。

下記のサービスを活用すれば、分析に関するスキルアップを効率よく実現できます。

AIやデータサイエンスが学べる就労移行支援

経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」対象】自分のペースでAIスキルを習得【AI CONNECT】

ステップ2. 転職先の業務内容を深く理解する

広告主のデータサイエンティスト/データアナリストとして求められるスキルセットや役割を把握しました。

業務内容例
- 広告運用のROI分析
- ユーザー行動の分析
- プロダクトの利用データを活用した改善提案

広告代理店のスキルがどのように転用できるか、自己PRの準備をしました。

ステップ3. 転職活動の実践

ポートフォリオの作成
実際にPythonやSQLを使って分析したサンプルデータをまとめたポートフォリオを作成。これにより実務経験だけでなく、自主的に学んだスキルもアピールできました。
転職エージェントの活用
特にデータ分析職に強い転職エージェントを利用しました。広告業界での経験が評価され、事業会社のマーケティングチームやデータ分析チームから面接のオファーを受けました。
面接の準備
面接では、「広告代理店でのスキルを広告主の業務にどう活かすか」を具体例を交えて説明しました。

事業会社での仕事と成長

広告代理店から広告主側への転職を通じて、データサイエンティストとしての視野が広がり、キャリアアップだけでなく年収や働き方においても大きな変化を実感しました。

以下に具体的な取り組みや環境の変化を紹介します。

1. 年収の向上

広告主側に転職した大きな理由の一つは、年収アップを目指したことです。

広告代理店では成果に対する評価が限定的だった一方で、広告主側では専門的なスキルやプロジェクトへの貢献度が給与に直結します。

具体的には、転職後に約30%の年収増加を実現しました。

このように、データサイエンティストとしてのスキルを正当に評価される環境に移ることで、経済的な安定感が高まりました。

2. ワークライフバランスの向上

広告主側では、労働時間が以前と比べて大幅に改善されました。

広告代理店時代は、クライアントのスケジュールや突発的な依頼に振り回されることが多く、深夜や休日の対応が頻繁に発生していました。

一方、広告主では基本的にプロジェクト単位で計画的に業務が進むため、残業時間が大幅に削減されました。

また、リモートワークが推奨されている企業だったため、通勤時間を削減でき、より効率的に時間を使えるようになりました。その結果、仕事とプライベートの両立が可能になり、家族や趣味に費やす時間も増えました。

3. 大規模データの活用と分析スキルの深化

広告主側では、自社サービスの膨大なデータを扱う機会が増えました。

広告代理店時代は、キャンペーンや媒体ごとに分散したデータを取り扱っていましたが、広告主ではユーザー行動データや購買履歴、継続利用のトレンドなど、多岐にわたるデータを一貫して分析できる環境があります。

これにより、データの質・量ともに高いレベルで分析スキルを磨くことができました。

例えば、機械学習モデルを活用して、顧客の離脱リスクを予測するシステムを開発しました。これにより、適切なタイミングでマーケティング施策を実施し、リテンション率の向上に貢献しました。

4. データ駆動型の意思決定を推進

広告主の立場では、分析結果が直接的に意思決定に結びつきます。

広告代理店ではクライアントに対する提案やアドバイスが主な役割でしたが、広告主側では、自分の分析が企業全体のマーケティング戦略や事業計画に影響を与えます。

具体的には、プロモーションの効果測定や顧客セグメントごとの施策最適化などを通じて、広告予算の効率的な配分を実現しました。

このように、分析が経営戦略の一部となる環境で働くことで、仕事の意義や達成感が大きく向上しました。

5. チームリーダーとしての成長

広告主側での経験を通じて、チームリーダーとしてのスキルも磨かれました。

広告代理店では個人でのアウトプットが重視されることが多かったのに対し、広告主ではチーム全体のパフォーマンス向上が求められます。

たとえば、新たな分析フレームワークを導入し、メンバーが効率的に業務を進められるよう支援しました。

また、若手メンバーへのコーチングや教育プログラムを実施し、チーム全体でデータリテラシーを高める取り組みを行いました。これにより、組織としての分析能力を向上させ、成果を倍増させることができました。

6. 社会的インパクトを実感

広告代理店ではクライアントごとに異なる目標に向けた施策を担当していましたが、広告主側では、自社プロダクトを通じて社会に直接的なインパクトを与える仕事に携われます。

特に、大規模なマーケティングキャンペーンや新商品投入の際には、自分のデータ分析が多くのユーザーに影響を及ぼすことを実感しました。

例えば、ユーザーの利便性を高めるために、アプリ内の行動データを基にしたパーソナライズ機能を提案し、ユーザー満足度の向上と売上増加に貢献しました。

このような取り組みを通じて、データの力でより良いサービスを提供するというやりがいを感じています。

広告代理店から広告主への転職を目指す方へ

広告代理店での経験は、広告主への転職を成功させるための大きな武器になります。

代理店で培った幅広い媒体知識や運用スキル、クライアント対応能力は、広告主側のデータ活用やプロジェクト推進において高く評価されるでしょう。

しかし、その一歩を踏み出すためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

1. 転職の目的を明確にする

広告代理店から広告主への転職を考える際、最初に重要なのは「なぜ転職したいのか」を明確にすることです。

例えば、以下のような理由が考えられるでしょう：

年収アップを目指したい。
ワークライフバランスを改善したい。
大規模なデータを活用した分析スキルを磨きたい。
自分の成果が事業や社会に直接影響を与える環境で働きたい。

あなたの目的が明確であれば、それに合った求人を見つけやすくなり、応募時のアピールにもつながります。

2. 広告主が求めるスキルを理解する

広告主側では、データ分析やマーケティング戦略において即戦力が求められることが多いです。

特に以下のスキルは転職市場での競争力を高めるポイントです：

データ分析力：Google AnalyticsやBIツールの活用スキル。
プロジェクトマネジメント力：計画立案から実行までを管理する能力。
ビジネスへの理解：企業の課題解決に直接結びつく提案力。

広告代理店での経験を活かしつつ、これらのスキルを自己アピールできると転職成功率が格段に高まります。