目次
■ 本講の位置づけ
第2編 ②では、
BPR → KGI → KPI → OKR
という戦略設計の骨格を整理しました。
しかし、ここで重要な問いがあります。
そもそも「何を変えるべきか」は、どうやって見つけるのか?
答えが 顧客起点設計 です。
本講では、
- デザイン思考
- カスタマージャーニーマップ
を通して、「顧客視点からDXを設計する方法」を構造的に解説します。
第1章|デザイン思考とは何か
■ 定義
デザイン思考とは、顧客への共感を出発点に課題を再定義し、試作と検証を繰り返す問題解決アプローチです。
DX検定では、次のプロセスが問われます。
共感 → 問題定義 → 創造 → 試作 → テスト
■ なぜ「共感」から始まるのか
従来の業務設計はこうです。
社内課題の洗い出し
↓
業務効率化
しかしDXは、
顧客体験の再設計
↓
業務構造の変更
という順番です。
つまり、内側ではなく外側から設計するのが特徴です。
■ 具体例:銀行の融資プロセス
従来設計
- 書類を揃える
- 来店予約
- 面談
- 審査
銀行側視点では合理的です。
顧客視点で見ると
- 何を準備すればよいか分からない
- 何度も来店が必要
- 審査期間が不安
ここで初めて、
「面談は本当に必要か?」
という問いが生まれます。
これが問題定義の再構築です。
第2章|デザイン思考5ステップを分解する
DX検定では単語ではなく、流れを理解しているかが問われます。
① 共感(Empathize)
顧客の行動・感情・背景を理解する段階。
例:
- インタビュー
- 行動観察
- カスタマーレビュー分析
重要なのは「事実」を集めることです。
② 問題定義(Define)
集めた情報を整理し、
顧客は◯◯に困っている
と定義します。
ここで失敗すると、
「自社都合の課題」になります。
③ 創造(Ideate)
可能性を広げる段階。
例:
- ブレインストーミング
- アイデアスケッチ
量を出すことが重要。
④ 試作(Prototype)
小さく形にする。
ここでMVPと接続します(第3講で扱います)。
⑤ テスト(Test)
顧客に触れてもらい検証。
仮説 → 試作 → 反応 → 修正
の循環が生まれます。
第3章|カスタマージャーニーマップとは何か
■ 定義
顧客の行動・感情・接点(タッチポイント)を時系列で可視化したもの
DX検定では、
- サーバ構成
- 財務諸表
などが誤答になります。
ジャーニーは顧客体験の地図です。
■ 構造
認知 → 検討 → 申込 → 利用 → 継続
各段階で、
- 行動
- 感情
- 課題
- 接点
を整理します。
■ 具体例:サブスク動画サービス
認知
- 広告を見る
- SNSで話題
感情:興味
検討
- 無料体験を確認
- 料金比較
感情:不安(解約できる?)
申込
- クレジット登録
感情:手続きが面倒
ここで重要なのは、
感情の変化
です。
DXは、感情の摩擦を取り除く設計とも言えます。
第4章|ジャーニーとKPIの接続
ジャーニーは“絵”で終わってはいけません。
戦略設計と接続します。
■ 構造
ジャーニー段階
↓
課題抽出
↓
KPI設計
↓
改善施策
■ 例
申込段階で離脱率30%
→ KPI:申込完了率
→ 改善:入力項目削減 / ワンクリック登録
■ 顧客起点DXの本質
第1講のBPRは「業務起点」でした。
第2講は、
顧客体験起点で業務を再設計する
という発想です。
第5章|DX検定で問われるポイント
- デザイン思考の正しい順序
- 共感から始まる理由
- ジャーニーは顧客視点である
- 技術視点ではない
特に、
設計 → 実装 → テスト
は誤答になりやすい。
■ 本講まとめ
- DXは顧客起点で始まる
- デザイン思考は共感から
- ジャーニーは顧客体験の可視化
- 戦略設計と接続して初めて意味を持つ
■ 次講予告
第二編 第3講では、
MVPと仮説検証
を扱います。
顧客理解
↓
最小限で検証
↓
高速改善
ここでアジャイル構造と接続します。
【DX検定対策講座】第2編ー③|仮説検証を回す ― MVPとアジャイル実装の構造理解


