目次
■ 本講の位置づけ
第2編ー①〜④では、
戦略設計
↓
顧客起点設計
↓
MVP検証
↓
内製化
まで扱いました。
しかし、ここで重要な問いがあります。
改善を回すための「データ」は、どこにどう保存されているのか?
DXはデータが前提です。
データ基盤を理解しないと、DXは成立しません。
第1章|MDM(マスタデータ管理)とは何か
■ 定義
MDM(Master Data Management)とは、企業内で分散している顧客・商品・取引先などの基幹データを統合し、「単一の正しいデータ(Single Source of Truth)」を維持する仕組みです。
DX検定では、
「単一の正しい顧客データを整備する取り組み」
が正解になります。
■ なぜMDMが必要か
多くの企業では、
- 営業部門の顧客データ
- ECサイトの顧客データ
- コールセンターの顧客データ
が別々に存在します。
結果:
- 名前表記揺れ
- 重複登録
- 住所不一致
となります。
■ 問題例
顧客A:
- 営業DB:山田 太郎
- EC:Yamada Taro
- サポート:山田太郎
同一人物なのに別人扱い。
これでは、
- 正しいLTV計算ができない
- パーソナライズ施策が失敗する
- 解約リスク予測がズレる
■ MDMの役割
データ収集
↓
正規化
↓
統合
↓
唯一のID付与
↓
全システムへ配信
MDMはデータの正確性と一貫性を担保する基盤です。
第2章|データレイクとは何か
■ 定義
データレイクとは、構造化データ・非構造化データを含む“生データ”を大量に保存できる基盤です。
DX検定では、
「構造化・非構造化を含む生データを大量に保存できる保管基盤」
が正解です。
■ どんなデータが入るか
- ログデータ
- センサーデータ
- 画像
- 音声
- JSONデータ
つまり、
整理前のデータ
が保存されます。
■ 特徴
・形式自由
・保存優先
・後から加工
データレイクは「とりあえず保存する湖」です。
■ 注意点
整理せずに放置すると、
データスワンプ(沼)
になります。
検索不能、利用不能。
そのため、
- メタデータ管理
- データカタログ
が重要になります。
第3章|DWH(データウェアハウス)とは何か
■ 定義
DWH(Data Warehouse)とは、分析・レポート用途に最適化された、統合・整理済みのデータ基盤です。
DX検定では、
「分析・レポート用途に統合・整理されたデータを格納する基盤」
が正解です。
■ データレイクとの違い
| 観点 | データレイク | DWH |
|---|---|---|
| データ状態 | 生データ | 整理済 |
| 用途 | 保存 | 分析 |
| スキーマ | 後定義 | 事前定義 |
■ 例:売上分析
DWHでは、
- 日付
- 商品カテゴリ
- 地域
- 顧客属性
が整理された状態で保存されます。
そのため、
月別売上
地域別売上
顧客属性別売上
が即座に分析可能です。
第4章|3つの役割を統合する
ここまでを統合します。
データ発生
↓
データレイク(保存)
↓
MDM(正規化・統合)
↓
DWH(整理・分析)
■ 構造理解が重要
- MDM=正しいデータを作る
- データレイク=全部貯める
- DWH=分析できる形にする
この役割の違いがDX検定で問われます。
第5章|実務ケース:小売企業のデータ基盤
課題
- 店舗POSデータ
- ECデータ
- 会員アプリデータ
が分断。
解決
① データレイクに全データ保存
② MDMで顧客ID統合
③ DWHで分析用テーブル作成
■ 結果
- 顧客LTV可視化
- 購買傾向分析
- レコメンド精度向上
データ基盤はDXの土台です。
第2編ー⑤まとめ
- MDM=単一の正しいデータを作る
- データレイク=生データ保存
- DWH=分析基盤
- 役割を混同しないことが重要


